(BALB/c-hPD1/hGITR)
GITR(glucocorticoid-induced TNFR-related protein)是はTNF受容体スーパーファミリーの1員として、T細胞を含む複数の細胞で発現します。T細胞の共刺激シグナルとして、T細胞が活性化された後、その発現が上方調節されます[1]。そのリガンドであるGITRLは主にDC細胞、マクロファージ及びB細胞で発現します。GITR/GITRLは様々な重要な機能を持っており、T細胞增殖の制御、抗腫瘍及び自体免疫疾患に対し、重要な役割を果たしています[3,4]。前臨床前研究によると、一部の固形腫瘍の治療において、GITRアゴニストはPD-1/PD-L1阻害剤またはCTLA-4阻害剤との併用などにより、とても有意な効果が示されてます。臨床がんモデルでは、GITR閉路に対する研究はとても期待できます [2]。
構築戦略:集萃薬康がBALB/c-hPD1マウスのGITRのコード領域をヒトGITRに置き換えることにより成功に構築したBALB/c-hPD1/hGITRモデルはヒトPD1阻害剤、anti-GITR及び併用薬のスクリーニング及び評価にとって理想的な動物モデルです。
1. BALB/c-hPD1/hGITR:hGITR抗体BMS986156 analogueの薬力学的実験
CT26腫瘍細胞株をBALB/c-hPD1/hGITRマウスモデルに皮下接種した後、抗ヒトPD1抗体とGITR抗体の腫瘍抑制効果試験を実施しました。
Anti-GITR antibody:BMS986156 analogue
左図:マウス腫瘍増殖グラフ 右図:マウス体重変化グラフ
BALBc-hPD1/hGITRマウスへのCT26.WT皮下接種モデルに基づくin vivo薬力学的実験。対数増殖期のマウス結腸癌細胞CT26.WTをBALB/c-hPD1/hGITRマウスに皮下接種し、腫瘍増殖平均体積が約100 mm3になったときに、無作為にPBS群,anti-GITR Ab単剤群,Keytruda 単剤群及びanti-GITR Ab + Keytruda併用群(n=7)に分けました。週に2回、計6回投与しました。データはMean±SEMで示されたものです。
試験結果:anti-GITR Ab 治療群とKeytruda 治療群の腫瘍増殖抑制率(TGI)はそれぞれ46.60%、38.33%で、腫瘍増殖に対するある程度の抑制作用が認められ、併用群anti-GITR Ab + Keytrudaは腫瘍増殖に有意な抑制作用が認められ、そのTGIは62.28%でした。
考察:BALBc-hPD1/hGITRマウスはターゲットヒトPD1、GITR抗体及び併用薬を評価するための効果的な動物モデルです。
参考文献
[1].Knee, Deborah A., Becker Hewes, and Jennifer L. Brogdon. “Rationale for anti-GITR cancer immunotherapy.” European journal of cancer 67 (2016): 1-10.
[2].Placke, Theresa, Hans-Georg Kopp, and Helmut Rainer Salih. “Glucocorticoid-induced TNFR-related (GITR) protein and its ligand in antitumor immunity: functional role and therapeutic modulation.” Clinical and Developmental Immunology 2010 (2010).
[3].Clouthier, Derek L., and Tania H. Watts. “Cell-specific and context-dependent effects of GITR in cancer, autoimmunity, and infection.” Cytokine & growth factor reviews 25.2 (2014): 91-106.
[4].Tigue, Natalie J., et al. “MEDI1873, a potent, stabilized hexameric agonist of human GITR with regulatory T-cell targeting potential.” Oncoimmunology 6.3 (2017): e1280645.