NCGマウス(NOD/ShiLtJGpt-Prkdcem26Cd52Il2rgem26Cd22/Gpt)は、ゲノム編集技術を用いてNOD/ShiltJGptマウスのPrkdc(Protein kinase, DNA activated, catalytic polypeptide) およびIl2rg(Common gamma chain recepto)遺伝子をノックアウトした重症免疫不全マウスです。NCGは、現在まで最も完全な免疫系欠損マウスモデルの一つであり、ヒト腫瘍細胞の移植(Cell derived xenograft,CDX)、ヒト腫瘍組織移植(Patient derived tumor xenograft,PDX)に適し、ヒト末梢血単核細胞(Peripheral blood mononuclear cell,PBMC)およびヒト造血幹細胞(Hematopoietic stem cell, HSC)免疫再構成の移植にも非常に適しています。NCGの生存期間が長く89週間以上であり、長期の移植と薬力学的評価に役立ちます。
(1) BLTヒト化マウス、PBMCヒト化マウス、CD34+ヒト化マウスなどのヒト免疫系を再構成するマウスモデル;
(2) ヒト腫瘍細胞および腫瘍組織移植(CDX、PDX)モデル;
(3) 薬効評価(低分子〜高分子、併用薬);
(4) ヒト担がんモデル;
(5) 幹細胞研究。
NCG成長曲線
図1. NCGマウスの成長曲線
16週目に、NCGマウスの体重を分析すると、NCGオスマウスの体重がメスマウスより有意に高かったです。
図2. NCGマウスがん原性試験
対数増殖期のヒト乳癌細胞株BT-474、ヒト結腸癌細胞株COLO 205、ヒト膵臓癌細胞株PANC1、ヒト卵巣癌細胞株SK-OV-3をそれぞれ6–8週齢Nu/ NOD-Scid/NCGマウスの皮下に注射し、腫瘍の大きさは時間の経過とともに増大する傾向です。データはMean±SEMで示されたものです。
NCG薬効試験
図3 NCGマウスの皮下移植肺癌のPDXモデルにおけるエルロチニブの薬力学的評価
エルロチニブの抗腫瘍効果を評価するために、NCGマウス皮下へ移植した肺癌PDXモデルが作製されました。結果は、モデル対照群と比較して、エルロチニブ治療群が腫瘍増殖を有意に阻害できることを示した。なお、アバスチン(Avastin)との併用治療後、エルロチニブ単独投与群と比較して、腫瘍増殖を有意に抑制することができます。 腫瘍体積の値はMean±SEMで示されたものです。