huPBMC-NCGマウスは、ヒト末梢血単核細胞(Peripheral Blood Mononuclear Cell, PBMC)を重度の免疫不全マウスNCGに移植することにより、ヒト免疫系を再構築するNCGマウスモデルです。NCGマウスでのhuPBMCの免疫再構成は、効率と速度が高く、再構成後はリンパ系T細胞をメインとし、さまざまな腫瘍免疫治療薬の評価に使用できます。huPBMC-NCGマウス免疫再構築後の生存周期は5-7週間で、医薬品投与周期が割に短いです。T細胞の再構築速度が非常に速いため、ヒトT細胞はマウス組織を識別、攻撃し、移植片対宿主病(GvHD)を発症するので、このモデルをGvHD薬の評価に利用できます。
huPBMCドナー間の差異が明らかなので、実験結果に対する異なるドナーからのPBMCの影響を排除するために、集萃薬康は、huPBMC-NCG免疫再構成の安定性を確保するために、スクリーニングにより、huPBMCドナーライブラリーを確立しました。
huPBMC-NCGマウスヒト化モデルの実験設計フローチャート
応用分野
l 前臨床の薬力学的効果及び安全性評価
l 短期薬力学的評価
l 腫瘍関連の薬力学的評価
l GvHD治療薬評価
モデルデータ
1. huPBMC-NCGマウスの生存グラフ
それぞれドナーFとドナーG由来のhuPBMCをNCGマウスに注射し、huPBMC-NCG免疫再構築マウスの生存期間を分析しました。移植されたPBMCが異種免疫細胞であるため、huPBMC-NCGマウスは時間の経過とともに移植片対宿主病(GvHD)を発症します。つまり、ヒト免疫系がマウスの組織や臓器を攻撃し、最終的にマウスの死亡につながるため、huPBMC-NCGマウスの利用可能な期間を短縮しました。本研究では、NCGマウスがhuPBMCを移植された1ヶ月前後で次々に死亡したことが認められました。
2. huPBMC-NCGの免疫再構築速度が速く、再構築細胞は主にCD3+T細胞です
フローサイトメトリーでhuPBMC-NCGマウスのヒト化過程での末梢血におけるヒト白血球割合を測定しました。その結果、時間の経過とともに、huPBMC-NCGマウスの末梢血におけるヒト白血球の割合が徐々に増加し、3週目にヒト白血球の平均割合は50%を超えました。データはMean±SEMで示されたものです。
フローサイトメトリーでhuPBMC-NCGマウスの脾臓、末梢血及び骨髓におけるヒト白血球の相対含有量を測定しました。その結果、ヒト白血球のhuPBMC-NCGマウス体内にいける分布が有意な組織差異性が示され、ヒト白血球レベルは高い順で脾臓>末梢血>骨髓です。データはMean±SEMで示されたものです。*P<0.05;**P<0.01;***P<0.001。