筋萎縮性側索硬化症(Amyotrophic Lateral Sclerosis, ALS)とは、脳と脊髄にある運動ニューロンが障害受けることで起こる病気で、3番目に頻度の高い神経変性疾患です。世界保健機関によって5大難治性疾患の一つとしてリストされています。現在、ALSとなる病因は不明ですが、いくつかの仮説が提唱され、主に遺伝子変異、環境汚染、重金属中毒およびウイルス感染と推測されています。そのうち、発症者の5~10%は家族性で発症がみられ、遺伝子変異が主原因です。
近年、ALSの病因に関連する遺伝子が続々と発見され、これまでに数十種類の遺伝子が報告されています、その中に、家族性ALSを引き起こす原因として、遺伝子であるSOD1、RNF、TDP-43など変異が発見されています。集萃薬康は、ALSの3つの注目される遺伝子変異部位と薬剤研究の問題点を狙い、ALS薬剤の研究開発のニーズに応えられるよう下記のモデルを構築しました。
系統番号 | 系統略称 | 系統タイプ | 系統特徴 |
T053675 | B6-hSOD1 G93A | Transgenic | 集萃薬康が開発したB6-hSOD1 G93Aマウスです。 B6-hSOD1 G93Aマウスは、6月齢で運動能力の低下を示しました (予備検証データ)。このモデルは、ALS病治療薬のスクリーニング、安全性評価、発症機序の研究に用いることができます。 |
Transgenic | 集萃薬康が開発したB6-hTDP43 A315Tマウスです。 B6-hTDP43 A315Tマウスは、5.5月齢で運動能力の低下を示しました (予備検証データ)。このモデルは、ALS病治療薬のスクリーニング、安全性評価、発症機序の研究に利用できることが期待されています。 | ||
Knock-in | 集萃薬康は、Rnf220の異なる変異部位を選択し、B6-RNF220のヒト化モデルを構築しました。このモデルは、ALS治療薬のスクリーニング、安全性評価、ユビキチン化TDP43の調節メカニズムの研究に利用できます。 |